豚肉は紀元前3000年以上も前から飼育されており、人類のもっとも古い家畜の一つと言われています。
日本では豚肉が一般に広まったのは明治に入ってからですが、現在では一番消費量の多い肉類です。
〜豚肉の栄養成分〜
豚肉には良質のタンパク質が多く含まれ、ほかにビタミンB1や成長促進に働くビタミンB2、貧血予防の鉄分なども含まれます。注目はビタミンB1。
〜ビタミンB1の働き〜
ビタミンB1とは日本人の農芸化学者、鈴木梅太郎博士によって発見された水溶性のビタミンです。
エネルギー源である糖質の分解を助ける働きがあり、それにより疲労回復に作用します。また、脳の中枢神経や手足の末梢神経の調整も行うので、不足するとイライラや手足のしびれ、深刻な場合は脚気のおそれもでてきます。
●今日の料理
塩豚のシンプルポトフ
1、ラップの上にキッチンペーパーを置き、豚肉をのせる。塩をまんべんなく振り、しっかり押さえてから包む。冷蔵庫で3日ほどおく。
2、1の豚肉を取り出し大きめに切る。玉ねぎは4等分に切り、キャベツ、にんじん、じゃがいもは大きめに切る。パセリはみじん切りにして水洗いし、キッチンペーパーで絞っておく。
3、厚手の鍋に水4カップを入れて火にかけ、沸騰したら2の豚肉、玉ねぎ、にんじん、じゃがいも、ローリエを入れて煮込む。(弱火で20分ほど) 2のキャベツを入れてさらに20〜30分、豚肉が柔らかくなるまで煮込む。仕上げにブラックペッパーを振る。
4、器に3のポトフを盛り付け、1のパセリを散らして出来上がり。
ポイント…豚肉が箸でほぐれるくらいまで煮込む。
豚肉の野菜巻き
1、豚肉に軽くこしょうを振る。
2、セロリ、プリーツレタスは豚肉の幅より長めに切りそろえる。パプリカは5mm幅のせん切りにする。砂糖、酒、みりん、しょうゆを合わせておく。
3、1の豚肉を広げ、2の野菜を1種類ずつしっかり巻く。
4、フライパンに油をあたため、3の豚肉の巻き終わりを下にして焼く。焼き色がついたら焼く面を変えて、転がしながらしっかり火を通す。(中火で3〜4分)
5、合わせておいた2の調味料を回しかけ、水分を飛ばし照りがつくまで加熱する。
6、切り分けて器に盛り付け出来上がり。
ポイント…豚肉にしっかり火を通す。
大根の原産地は諸説ありますが、ヨーロッパの地中海沿岸説が多いようです。その後、中国から日本に伝わり、室町時代に大根と呼ばれるようになり、江戸時代には全国に普及しました。
現在、日本の野菜の生産量消費量とも第1位。
〜大根の栄養成分〜
大根にはカリウム、カルシウムといったミネラルやビタミンC、食物繊維などが含まれており、美肌に働くビタミンCや便秘解消の食物繊維は女性にうれしい成分。注目はアミラーゼ。
〜アミラーゼとは…〜
アミラーゼとはデンプン分解酵素という成分で、その名の通りデンプン質を分解して、消化を助ける働きをします。
また、二日酔いの原因となるアセトアルデヒドを排出する働きもあります。
この季節、忘年会などでお酒を飲みすぎたり、料理を食べすぎて胸やけや胃もたれを起こす場合がありますが、アミラーゼはそれらを予防したり解消する働きがあります。
●今日の料理
大根とじゅんさいのみぞれ和え
1、じゅんさいはザルに上げて軽く水切りしておく。大根はすりおろしてザルに上げ軽く水切りする。
2、ボウルに?@の大根おろしを入れ、砂糖、塩、酢で味付けする。さらに?@のじゅんさいを加えて軽く混ぜる。
3、器に盛り付けて出来上がり。
ポイント…じゅんさいと大根の余分な水分をきる。
大根ステーキ
1、大根は皮をむいて3cm厚さに切り、断面に十文字に切れ目を入れておく。トッピング用の大根はごく細く切る。万能ネギは斜めうす切りにし、トッピング用大根と混ぜて水洗いする。ザルに上げて水切りしておく。
2、鍋にオリーブオイルとバターを温め、1の大根を中火で片面4〜5分焼く。両面に焼き色がついたら水、固形ブイヨン、赤ワイン、しょうゆを入れて弱火で20分ほど煮込む。大根が柔らかくなったら煮汁に入れたまま冷ます。
3、牛肉は一口大に切り、塩・こしょうで下味をつけ、薄力粉をつけてオリーブオイルで焼く。
4、小鍋でバルサミコ酢、しょうゆ、砂糖、バターを沸騰させ、とろみをつけてソースを作る。
5、大根を温めて器に盛り、3の牛肉を大根の上にのせ、その上に1のトッピング用の大根を重ねる。さらに糸唐辛子をのせて、大根の周りに4のソースをかけて出来上がり。
ポイント…大根はじっくり焼き、焼き色を付ける。
りんごの原産地は中央アジアの山岳地帯といわれ、8000年前の新石器時代にはトルコで栽培されていた跡が発掘されています。
日本でも平安時代には、すでにりんごの記述がありますが、現在のように大きく味の良いりんごが作られ始めたのは明治に入ってからです。
〜りんごの栄養成分〜
りんごの主成分はエネルギー源の炭水化物で、ほかに高血圧予防のカリウム、風邪予防のビタミンC、食物繊維などが挙げられます。注目はリンゴ酸と食物繊維。
〜リンゴ酸と食物繊維の働き〜
リンゴ酸は有機酸の一種で、りんごの酸味や香りの成分です。
疲労物質の乳酸の分解を促進し、新陳代謝を活発にすることから疲労回復や肩こりの解消が期待できます。
りんごの食物繊維にはペクチンという水溶性の食物繊維が含まれています。
ゼリー状に固まる性質があり、便秘や下痢を改善する働きがあるほか、腸内の悪玉菌を減らし、善玉菌を増やす働きで腸内環境を整えてくれます。
●今日の料理
リンゴのカルパッチョ
?リンゴは皮をよく洗い、4つに割って芯をとる。2mm程度に薄く切る。かぶは皮をむいてリンゴと同じくらいの大きさになるように薄く切る。
?平らな器に切った?のリンゴとかぶを交互に重ねて並べる。塩、ブラックペッパー、パルメザンチーズを振り、5分ほどおく。
?オリーブオイルをかけ、かいわれ大根を飾って出来上がり。
ポイント…リンゴとかぶを薄く切る。
フライパン焼きリンゴ
?リンゴは皮をよく洗い、芯を抜く。リンゴの上部と下部を切り落とす。7〜8mm厚さの輪切りにする。春巻きの皮は2つに切る。
?フライパンにバターを溶かし、?の春巻きの皮を焼く。きつね色になったら取り出し、残ったバターで?のリンゴを焼く。
?弱火で両面を3分ずつ焼き、しんなりしたらきび砂糖とシナモンを振る。リンゴに照りがついたら火を止める。
?器に盛り付け、?の春巻きの皮を砕いて散らして出来上がり。
ポイント…焦げすぎないように注意。
エリンギの原産地はヨーロッパ地中海沿岸といわれ、日本では1990年代に入ってから人工栽培が行われた、比較的新しいキノコです。
歯ごたえが良く、クセがあまりないのできのこ類が苦手な方におすすめ。
〜エリンギの栄養成分〜
エリンギにはビタミンB群が数多く含まれるほか、カルシウムの吸収を助けるビタミンDも摂取できます。
また、エネルギー量が低く、便秘予防の食物繊維も多いので女性にはうれしい食材です。注目はナイアシン。
〜ナイアシンとは…〜
ナイアシンとは水溶性のビタミンでビタミンB群に属しており、ビタミンB3とも呼ばれます。
糖質や脂質をエネルギーに変換するのを助けるほか、肌や胃腸の粘膜の健康維持、アルコールを分解する働きがあります。
お酒を飲む機会が増えるこの時期は、ナイアシンを多く含むエリンギなどの、きのこ類がおつまみにおすすめ。
●今日の料理
エリンギのナムル
?エリンギは根元の硬い部分を切り、根元に格子状に切れ目を入れて細く手で裂いていく。ザルに並べて室内で半日程度干しておく。万能ネギは斜めに切る。
?厚手の鍋にしんなりした?のエリンギを入れて塩をまぶす。10分ほどおいてからフタをして火にかける。(弱火で3分) 水分が出たら混ぜながら水分を飛ばし、こしょうを振って火を止める。
??のエリンギをボウルに移し、?の万能ネギ、ゴマ油を混ぜる。
?器に盛り、白ごまを振って出来上がり。
ポイント…エリンギの水分を飛ばして仕上げる。
エリンギのオイスター炒め
?エリンギは根元の硬い部分を取り、一口大に切る。しょうゆとおろししょうがで下味をつける。豚もも肉も一口大に切り、しょうゆとおろししょうがで下味をつける。
?下味をつけた?の豚もも肉に片栗粉をまぶす。フライパンに油をあたため豚肉を焼いてしっかり火を通す。(中弱火で片面2〜3分ずつ) ?のエリンギを加え、ツヤが出るまで炒める。
??にしょうゆとオイスターソースを混ぜてまわしかける。全体にからませて出来上がり。
ポイント…エリンギは充分炒めてツヤを出す。
白菜の原産地は中国といわれ、11世紀ごろに現在の結球白菜が誕生したようです。
日本へは明治時代に伝わりましたが、普及しはじめたのは昭和に入ってからと、意外にも歴史の浅い野菜です。
〜白菜の栄養成分〜
白菜には高血圧予防のカリウムやカルシウム、鉄といったミネラルが数多く含まれているほか、風邪予防のビタミンCも含まれています。また、エネルギー量が低いのでダイエットにもおすすめの食材です。注目はイソチオシアネート。
〜イソチオシアネートとは…〜
イソチオシアネートとは大根やキャベツなど白菜と同じアブラナ科の野菜に含まれている硫黄化合物で、辛味の素となる成分です。
肝臓の解毒酵素の働きを促進し、体内の有害物質を無毒化して排出する働きがあるほか、消化促進や食欲増進、血栓予防、殺菌作用など様々な働きのある成分です。
●今日の料理
ロール白菜
?白菜は熱湯でさっとゆでてザルにあげて冷ます。サーモンは縦長に切り、塩、こしょうで下味をつける。万能ネギは小口切りにする。
??の白菜に片栗粉を振り、?のサーモンを芯にして巻く。
??のロール白菜を蒸し器でおよそ15分蒸す。(中火)
?だし汁に酒、しょうゆ、みりん、塩、片栗粉を混ぜて火にかけとろみをつける。
?蒸しあがった?のロール白菜を一口大に切り、器に盛って?のあんをかける。?の万能ネギを散らして出来上がり。
ポイント…白菜がはがれないように片栗粉をまんべんなく振る。
白菜の甘酢和え
?白菜は5cm長さで5mm幅程度に切る。にんじん、きゅうりもせん切りにし、塩小さじ1/2を入れて軽くもんで、5分ほど置く。しょうがはせん切りにする。
??の野菜がしんなりしたら、水気をしぼって入れ、砂糖、酢を混ぜる。野菜の上にしょうがと唐辛子をのせる。
?小鍋にごま油と山椒を入れて温め、香りが出たら?のしょうがの上からかける。よく混ぜて冷やす。
?器に盛り付けて出来上がり。
ポイント…ごま油は充分熱してあつあつをかける。