オリーブオイルは人類が最初に手に入れたオイルといわれており、6000年前には地中海沿岸で生産されていたという記録が残っています。
日本でも明治時代に苗木を試験的に植え、その中で成功した小豆島は現在でもオリーブの産地として有名です。
〜オリーブオイルの栄養成分〜
オリーブオイルはほぼ100%脂質ですが、バージンオイルの場合、果肉から絞られたままなのでビタミンなども残されているのが特徴です。注目はオレイン酸。
〜オレイン酸の働き〜
オレイン酸とは脂質の一種で、常温で液体の不飽和脂肪酸です。
腸内の善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールを減らす働きがあり、血液をサラサラにすることで、脂質異常症や動脈硬化、心臓病などの予防が期待できます。
オリーブオイルは70%以上をオレイン酸で構成されており、どの食用油よりも多く含まれています。
●今日の料理
オリーブオイルで焼き野菜
1、長芋は皮をむいて一口大に切る。エリンギ、パプリカなども一口大に切る。さやえんどうは筋を取る。ミニトマトは洗ってヘタを取る。
2、鍋にオリーブオイルをあたため、1の長芋を焼く。(中火で片面2分ぐらい) 焼き色がついてきたら1のエリンギを入れ、しっかり焼く。パプリカとミニトマトを入れ、白ワインを振りかけてフタをする。弱火で2〜3分蒸し焼きにし野菜に火が通ったら、1のさやえんどうを加え更に2分ほど蒸し焼きにする。
3、塩、こしょう、ガーリックパウダーで味を調える。
4、器に盛り付けて出来上がり。
ポイント…長芋に焼き目がつくくらい焼いてから蒸す。
カルパッチョ
1、鯛は薄く削ぎ切りにする。塩昆布は細かく刻む。レタスはせん切りにし、ゆずは皮を少し削いでせん切りにし、果汁も小さじ1程度搾っておく。
2、ボウルに1の鯛と塩昆布、オリーブオイルを入れて軽く和える。
3、器に1のレタスを敷き、2の鯛を並べる。塩を振り、1のゆずの果汁と皮のせん切りを散らして出来上がり。
ポイント…鯛を薄く切る。
卵の歴史は古く、エジプトでは紀元前1500年も前から食べられており、日本にも2500年前には中国から伝わったようです。
ただ、どの家庭にも常備されるようになったのは、昭和30年以降になってからで、その頃から卵のほかに肉類や乳製品なども一般的になっていきました。
〜卵の栄養成分〜
卵は牛乳と並んで完全食品といわれるほど栄養素を豊富に含む食材で、良質のタンパク質を豊富に含み、カルシウムや鉄といったミネラルのほかレチノールやビタミンB群なども含まれます。
注目はリゾチームとシアル酸。
〜リゾチームとシアル酸とは…〜
リゾチームとは卵白に含まれる酵素の一種です。
風邪などの細菌の表面にある細胞膜を溶かしてその効力を奪う働きがあり、風邪薬に使用されている塩化リゾチームと同様の成分です。
また、シアル酸は白身と黄身をつないでいるカラザに含まれる糖質の一種です。
細胞に近づいてきた物質の善悪を判断し、ウィルスなどの侵入を防ぐ働きがあります。
●今日の料理
ちょっと甘めの卵焼き
1、酒、砂糖、しょうゆをよく混ぜる。
2、卵を割って卵白を切るように軽く溶き、1の調味料を混ぜる。
3、フライパンに油をしき、余分な油を吸い取って2の卵液を流す。手前に巻いてきて、空いたところに油を塗り、卵液を流す。
何度か繰り返し、厚焼き卵を作る。
4、切り分けて、器に盛り付けて出来上がり。
ポイント…少し強めの火で手早く焼く。
バニラシフォン
1、薄力粉、グラニュー糖、塩、ベーキングパウダーをふるっておく。ボウルに卵黄をほぐし、人肌程度に温めた牛乳を入れて、すぐに泡立て器でかき混ぜる。そこへふるっておいた粉類を混ぜ、油を少しずつ加えて混ぜる。さらにバニラオイルを加える。
2、メレンゲを作る。清潔な乾いたボウルに卵白を入れてほぐし、グラニュー糖のうち小さじ1を混ぜて低速のハンドミキサーで泡立てる。徐々に速度を上げていき、グラニュー糖を大さじ1ずつ加えてしっかりとしたメレンゲを作る。
3、メレンゲの1/3を、1のボウルに入れて泡立て器で混ぜる。混ぜたものを今度はメレンゲのボウルに入れて完全に混ぜる。高い位置から型に流す。ゴムベラでならす。
4、180℃のオーブンで10分焼き、引き続き160℃でおよそ30分焼く。焼き上がりを確認して逆さにして3時間以上冷ます。(途中、粗熱がとれたらラップをする。)
5、丁寧に型からはずして、切り分けて出来上がり。
ポイント…しっかりしたメレンゲを作る。
菜の花の原産地はヨーロッパといわれ、日本でも奈良時代以前から定着している歴史の古い野菜です。
菜の花といっても、野菜のほかに採油用や観賞用などもありますが、野菜では三重県や千葉県が産地として有名です。
〜菜の花の栄養成分〜
菜の花は栄養価の高い緑黄色野菜の中でも、さらに栄養価が高く、含まれるビタミンやミネラルは全野菜の中でトップクラスを誇ります。
また、エネルギー量も低いのでダイエットにおすすめの食材です。注目はカロテンとビタミンC。
〜肌の悩みにカロテンとビタミンC〜
カロテンは緑黄色野菜に多く含まれる黄色から赤の色素です。皮膚や粘膜を健康に保つ働きがあり、肌荒れ改善のほか免疫力を高め風邪予防も期待できます。
ビタミンCは肌の弾力を保つコラーゲンの合成を助ける働きと、紫外線の刺激でできるメラニン色素の沈着を防ぐ働きがあります。
●今日の料理
菜の花の白和え
1、木綿豆腐はキッチンペーパーに包み、上から軽い重石をして水分を抜く。(1時間ほど)
2、菜の花は洗って、たっぷりの熱湯に分量外の塩ひとつまみを入れ、さっとゆでる。すぐに水で冷やし2cm長さに切る。
ボイルエビは背ワタがあれば取り除き、大きいものは2つに切る。
3、すり鉢で1の木綿豆腐をなめらかになるまでする。白練りごま、砂糖、白みそ、白だしを混ぜ、木綿豆腐に混ぜる。塩で味を調えて、白和えの衣を作る。
4、ゆでた2の菜の花の水気を軽く絞り、3の白和えの衣で和える。さらに2のボイルエビを加え軽く混ぜる。
5、器に盛り付け出来上がり。
ポイント…菜の花はゆですぎないように。
菜の花のチーズ揚げ
1、菜の花は30分ほど水につけてパリッとさせ、水気を切る。3〜4cm長さに切っておく。
2、薄力粉、ベーキングパウダー、粉チーズ、牛乳、塩、こしょうを混ぜてチーズ衣を作る。衣に1の菜の花を入れて混ぜる。
3、中温の揚げ油で、衣がカリッとするように揚げる。(10秒程度) 器に盛って出来上がり。
ポイント…菜の花の食感が活きるよう、揚げすぎない。
ハマグリは古くから日本人に親しまれてきた食材で、奈良時代の日本書紀にすでにその記述があります。
3月3日のひな祭りにお吸い物が出されますが、これはハマグリが元々の貝殻としかぴったり合わないことから、よい伴侶にめぐり逢えますようにとの願いが込められているからです。
〜ハマグリの栄養成分〜
ハマグリは高タンパク低脂肪でとてもヘルシーな食材です。
また、カルシウムや鉄といったミネラルや成長促進のビタミンB2などが豊富に含まれており栄養価の高さも特徴です。注目はタウリン。
〜タウリンとは…〜
タウリンとは含硫アミノ酸の一種で、魚介類に多く含まれています。
胆汁酸の分泌を盛んにし、肝臓の機能をアップさせる働きがあり、疲労回復が期待できます。
また、胆汁酸にはコレステロールを排出する働きもあるので、高血圧や動脈硬化といった生活習慣病の予防も期待できます。
●今日の料理
はまぐりダシ豊かな煮浸し
1、はまぐりは貝の表面の汚れやぬめりを取る。チンゲン菜は一口大に切り、えのきだけは石づきを切り、半分の長さに切る。万能ネギは小口切りにする。
2、鍋に1のはまぐりと酒を入れフタをして中火にかける。はまぐりの口が開いたら火を止め、はまぐりを取り出す。
3、残った汁に1のチンゲン菜とえのきだけを入れ、フタをして中火にかける。1〜2分加熱し、白だしを加えて味を調える。2のはまぐりを鍋に戻して火を止める。
4、器に盛り付け、1の万能ネギを散らして出来上がり。
ポイント…はまぐりを加熱しすぎない。
はまぐりのパスタ
1、はまぐりは貝の表面の汚れやぬめりを取る。にんにくはうす切り、わかめは水で戻してざく切りに、エリンギは薄く切ってから細く切る。
2、たっぷりの熱湯に分量外の塩を入れ、パスタをゆでる。
3、鍋に油と1のにんにくを入れて中火にかけ、香りが出たら1のエリンギ、はまぐり、酒を入れてフタをする。はまぐりの口が開いたら火を止め、はまぐりを取り出す。
4、ゆでたての3のパスタを3のエリンギの鍋に入れ、わかめを加えて塩、こしょうで味を調える。3のはまぐりを鍋に戻してひと混ぜし火を止める。
5、器に盛り付け、糸唐辛子を天盛りにして出来上がり。
ポイント…はまぐりを加熱しすぎないように手早く仕上げる。
かつては日本や朝鮮半島南部だけに天然分布する海藻でしたが、近年の養殖技術の進歩によって中国やフランスでも養殖されています。
現在では加工技術も進歩して、生のほかに塩蔵わかめや乾燥わかめなども出回り、一年中使いやすい食材になっています。
〜わかめの栄養成分〜
わかめは低エネルギーの上、カルシウムやマグネシウム、鉄といったミネラルも数多く含まれているので、食事のバランスをとるにはとても優れた食品です。注目はアルギン酸とフコイダン。
〜アルギン酸とフコイダンの働き〜
アルギン酸とは水溶性の食物繊維の一種で、わかめのぬめり成分になります。体内の余分なナトリウム、つまり塩分を吸着して排出する働きがあり、高血圧などの生活習慣病を予防します。
また、フコイダンも同じく水溶性食物繊維のぬめり成分です。こちらは、胃壁にピロリ菌がつかないようし、胃潰瘍を予防する働きがあります。
●今日の料理
わかめのしょうが炒め
1、わかめは水洗いして水に3分間浸けて戻す。水気を絞ってざく切りにする。しょうがはせん切り、じゃがいもは皮をむき5mmのうす切りにする。
2、フライパンに油を温め、1のしょうがとじゃがいもを炒める。透き通ってきたら1のわかめを入れ、酒、みりん、しょうゆで手早く味つけする。
3、器に盛り付けて、出来上がり。
ポイント…わかめを入れたら手早く仕上げる。
わかめの卵とじ
1、わかめは水洗いして水に3分間浸けて戻す。水気を絞ってざく切りにする。万能ネギは小口切りにし、卵はといておく。
2、だし汁に酒としょうゆを入れて沸騰させ、しらす干しと1のわかめを入れる。再沸騰したら1の卵をまわし入れフタをする。20〜30秒加熱して火を止める。
3、器に盛り、1の万能ネギを散らして出来上がり。
ポイント…材料をすべて準備し、手早く仕上げる。